【前編】ユーザーとビジネスを繋ぐ「最大公約数の最適解」。グーネットを成長に導くUI/UXの真髄とは

2026/07/17 モビリティ事業

プロトコーポレーションが運営する「グーネット」をはじめとした各種サービス。その成長の裏側には、多様なユーザーの行動を分析し、最適な形へと落とし込むUI/UXチームの存在があります。
今回は、ITソリューション戦略室 UI/UXチームでデザインマネジメントやサービスグロースを牽引する藤巻さんに、現代のUI/UXデザイナーに求められる本質的なスキルと、チームが描く未来について伺いました。

(写真左)堀田さん、(右)藤巻さん

アーティスティックから「ビジネス直結」へ。UI/UXの変遷

―― まずは、UI/UXチームの業務内容や使命について教えていただけますか?
藤巻:
UI/UXチームは、「グーネット中古車」や「グーネットピット」をはじめとしたグーサービスのデザイン制作を担当しています。デザインを通じてユーザーインターフェースを整え、グーネットのブランドイメージを反映していくのが主な役割です。 具体的には、大きく分けて『サービスグロース企画』と『デザインマネジメント』の2つのテーマがあります。前者は新機能提案や調査分析、ABテストなどを行いサービスを成長させる役割。後者はデザインデータや人的リソースの管理です。その中で私がメインで担当するのは、デザインマネジメントとABテストです。新機能の企画提案や調査分析は、メンバーの堀田さんと一緒に進めつつ、一部を彼女に任せています。

ーー チーム全体として目指しているゴールについてもお聞かせください。
藤巻:
チームとしてやりたいことは、グーサービスを通じてより多くのユーザーにカーライフサービスを提供し、ユーザーのライフタイムバリュー(LTV)の中でグーネットが占める割合を大きくしていくことです。「グーネットで見つけて良かった」と思っていただける体験を提供するために、いかに車を探しやすくするかを考え、日々設計と新機能の提案を行っています。
―― 長年デザインに携わられている中で、UI/UXという領域の変化をどう感じていますか?
藤巻:
Eコマースが普及し、2000年代後半にスマートフォンの登場などでインターネット上での購買行動が日常化する中で、UI/UXの役割は大きく変化しました。
買い物のしやすさである「UI」と、また来たいと思わせる「UX(ユーザー体験)」の良し悪しが、競合との明確な差別化要因となり、「ビジネスの成果」を直接左右するようになったからです。

そして今、UI/UXの役割は「画面の中」からさらに大きく広がっています。アプリの使い勝手だけでなく、リアルな店舗での体験や、カスタマーサポートでのやり取りなど、お客様と関わるすべての接点がデザインの対象になっています。
これからのUI/UXは、デザイナーだけが考えるものではありません。部署の垣根を越え、会社全体で「お客様にとって最高の体験とは何か」を追求していく、ビジネスの根幹を担うテーマに進化していると感じています。

藤巻:
そうした体験全体を捉える広い視点を持った上で、UI/UXにおいて最も大事なのは「調査・分析」です。多種多様なユーザーが別々の行動を取る中で、最終的に私たちが提供する画面は1つ。だからこそ、全員向けの最大公約数で妥協するのではなく、一人ひとりの異なる目的やリテラシーに寄り添い、それぞれのユーザーにとっての「最適解」となるような体験を作らなければなりません。 もちろん視覚的な表現力も重要ですが、もしそこに自信がなくても、ユーザーニーズの把握や調査・分析を強みにできれば、UI/UXチームの中心として十分に活躍できる環境です。 

真逆の意見をまとめ上げる「熱意」と「突破力」

―― ユーザーの「最適解」を導き出す上で、現場で苦労されることはありますか?
藤巻:
グーネットは当社のビジネスの要であり、社内には中古車に精通した熱い思いを持つマニアックな社員がたくさんいます。そうした社内の強いこだわりと、一般的なユーザーの目線。その両方を持ち合わせ、真逆とも言える意見をうまく調整してインターフェースに落とし込むのが我々の仕事です。

―― 調整にはかなりの労力が必要そうですね。
藤巻:
はい。だからこそ、UI/UXチームには「突破力」が必要なんです。「この企画を通すんだ」「ユーザーのためにこうするんだ」というメンバーへの熱い思いと突破力がなければ、最適解をアウトプットすることはできません。目に見える形で世に出る仕事なので、センスや頭の良さだけでなく、最終的には「熱意」がないと務まらない仕事だと思っています。そこに大きなやりがいを感じています。

初心者もプロも使いやすい、パーソナライズされた世界へ

―― 最後に、藤巻さんが見据える今後の野望を教えてください。
藤巻:
「データ構築」をさらに突き詰めたいですね。現状のグーネットは、車に詳しい方や購入経験がある方には非常に使いやすいと評価をいただいています。一方で、初めて車を買う方からすると、少し専門的でハードルが高い部分があるのも事実です。
リテラシーが異なるユーザーの要望を、1つのサイトの同じ画面で完全に両立させるのは至難の業です。だからこそ今後は、データの見せ方を工夫し、初心者向け・プロ向けといったように、各ユーザー層のニーズやリテラシーに応じた最適なサービス体験を提供できる世界を作っていきたいと考えています。